最高裁判所第二小法廷 昭和４７年（オ）１７１号 判決 1972年7月14日
主文
理由
上告代理人浜口雄の上告理由第一点および第二点一ないし三について。
所論の点に関する原審の事実認定は原判決挙示の証拠関係に照らして肯認することができ、この認定の過程に所論の違法は認められない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものであつて、採用することはできない。
同第二点四について。
所論の約定を上告人が被上告人らに対して有すべき求償権の放棄と解するか、もしくは、被上告人らの負担部分を零とする旨の合意と解するかによつてその法律効果に異なるところはなく、また、そのいずれであるかを訴訟上確定しなければ上告人の攻撃防御に不利益を与えるものとも認められないから、右のいずれであるかを確定しなくても違法ということはできない。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
（裁判長裁判官 岡原昌男 裁判官 色川幸太郎 裁判官 村上朝一 裁判官 小川信雄）